理樹と理華

 

 

                                                         兄妹 2話です

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目が覚めると自分のベッドに寝ていた

僕は倒れてしまったようだ

「お、目が覚めたか理樹」

「恭介・・・僕倒れちゃったんだね」

「びっくりしたぜ でもこの筋肉さんが受け止めたからな大丈夫だ」

「ありがとう、真人」

「理樹、本当にだいじょうぶか?」

「うん 大丈夫だよ、心配してくれてありがとう 鈴」

「さっきまでこいつ泣きそうな顔してたぞ」

「うっさいわ ぼけーっ!」

「ぐはっ」

上段回し蹴りが真人のこめかみに直撃する

いつものやりとりを見ていると自然と落ち着いてきた

「ナルコレプシーじゃないんだろう?」

心配そうな顔で謙吾が尋ねてくる

「う、うん」

僕はあの事故を乗り越えナルコレプシーを克服していた

「この手紙が原因か? 中身は見ていないが・・・」

「うん・・・実はね・・・」

僕は手紙に書いてあったことを話した

 

 

 

 

 

 

「妹か・・・」

恭介はとても難しい顔をしている

「なんだ 理樹に妹がいたのか?」

「驚いて倒れるぐらいだからお前も聞いたことがないんだろう?」

「うん、僕も信じられないよ・・・」

「非嫡出子か」

恭介と謙吾の顔が暗くなる

「ひちゃ・・・なんだそりゃ」

真人と鈴は分かっていないようだ

「非嫡出子っていうのはな・・・まぁ」

そういって恭介は僕の顔を見ている

「言っても大丈夫だよ 恭介」

「あぁ・・・分かった 非嫡出子っていうのはいわゆる隠し子ってやつだ」

その言葉で真人も鈴も理解できたようだ

「そうなのか・・ すまねぇ 理樹」

「気にしないで 真人」

「そいつがここに転入してくるのか? くちゃくちゃな話だな」

「僕もそう思うよ・・・」

本当にとんでもない話だ 

突然妹がいると知らされ

その妹は来週から同じ学校に転入してくるという

僕は突然現れた妹を受け入れることができるんだろうか

分からない・・・

顔すらも知らないのだ当然だろう

「とりあえず会ってみないことには何も分からないだろうな」

「そうだね・・・ 恭介」

その通りだった

「でもな理樹・・・」

恭介が真剣な顔になる

「兄妹はいいもんだぜ いない方がいいってことはは絶対にない」

「恭介達や葉留佳さん達を見てるとそれくらい分かるよ」

「そうか」

恭介と鈴、葉留佳さんと佳奈多さん

4人を見ていると兄妹という言葉に悪いイメージはもてない

兄妹の存在を羨ましいと思ったこともあった

「うみゅ、確かに兄貴は馬鹿だがいないと困るな」

「鈴・・・そろそろ俺をお兄ちゃんと呼んでくれないか?」

「いやじゃ ぼけーっ!」

「そんなこと言わないでくれよ・・うぅっ・・・」

「まぁまぁ恭介も鈴も落ち着いて・・・」

「理樹」

「どうしたの 鈴?」

「あたしがついてるからな安心しろ」

「うん、頼りにしてるよ」

チリン と鈴が頷く

正直立場が逆だ・・・

僕が鈴を守るっていったのになぁ

鈴の言葉は嬉しかったので言葉には出さないでおく


「もう大丈夫そうだな」

「心配かけてごめんね みんな」

「お前もこれから大変だろうががんばれよ」

「じゃぁ俺達は戻るぞ」

そういってみんなはそれぞれの部屋に戻っていった

 

 

「はぁ・・・」

「やっぱ不安か?」

「うん、さすがにね・・・」

コンコン・・・

「入るぞ少年」

「来ヶ谷さん・・・? それと・・・」

「少年を探しているそうなんでな 連れてきてやった」

来ヶ谷さんの横には見知らない少女がいた

「ありがとうございました」

そういって来ヶ谷さんの隣にいた少女は微笑んでいる

身長は鈴と同じくらいだろうか

僕と同じ色の髪を腰のあたりまで伸ばしている

「あなたが直枝理樹さんですか・・・?」

名前を呼ばれ困惑する

面識があるとは思えない

「えっと君は・・・」

手紙の中に書かれていた名前が浮かぶ

「もしかして・・・・理華?」

直枝理華 それが少女の名前だった

「会いたかった・・・ お兄ちゃんっ」

そういって僕に抱きついてくる

「少年どういうことだ 説明しろ」

来ヶ谷さんは困惑しているようだ

それも当然だろう

「えっと この子はね・・」

「理樹 大丈夫だ来ヶ谷には俺が説明してやる」

「うん、ありがとう真人」

そう言って真人と来ヶ谷さんは部屋を出て行った

 

 

 

「えっと・・・もう一度聞くけど君が僕の妹の理華・・・なんだよね?」

「うん、お兄ちゃんは今まで知らなかったんだよね 私のこと・・・」

「うん・・・ごめん」

「私はずっと前からお兄ちゃんがいるってことは聞かされてたの
 でも会わせてもらえなかった・・・ お父さんとの約束だからって
 でもお兄ちゃんが修学旅行で事故に遭ったって聞いておじさんも会うのを許してくれたの・・・」

そう言って涙を浮かべる少女

同じ色の髪 同じ色の瞳

とても可愛らしい顔をしている

「本当に無事で良かったっ」

会ったことのない僕でも心配してくれていたんだ・・・

これが兄妹なんだろうか

見知らぬ妹に持っていた不安はいつの間にか消えていた

「心配かけてごめんね・・・ 理華」

「ううん、でもそのおかげでお兄ちゃんに会えた それが本当に嬉しいの・・・」

そういって天使のように微笑む

 

 

理華は今まで自分がどんな生活をしていたのか話してくれた

違う男の子供、そう言って父親からは冷たく当たられ、その父親も亡くなった

その後を追うように母親もなくなってしまった

理華も一人になっていたのだ

僕と同じように

僕にはリトルバスターズのみんながいた

でも理華にはいなかった

もし恭介達が・・・リトルバスターズのみんながいなかったら僕はどんな生き方をしていただろう

考えたくもない・・・

 

「辛かったね・・・ 理華」

「うん・・・でもお兄ちゃんがいるって知ってたから、だから頑張れたんだ」

「お兄ちゃんのことも教えて欲しいな」

「うん」

そして僕は話した

僕を絶望から救い出してくれたみんなのことを

修学旅行で越した奇跡のことを

大好きなリトルバスターズのことを・・・

 

 

 

 

「その人達は本当にいい人達なんだね・・・羨ましいよ」


「私にはそんな人たちがいなかったから・・・」

そういって悲しい顔をする理華

「良かったら理華もリトルバスターズに入らない? みんな歓迎してくれると思うけど」

「え、いいの? 私なんかが入っても・・・」

少し困ったような笑顔だ

「うん、それに理華は・・・   僕の妹なんだしね」

「うん・・・ありがとう お兄ちゃん」
 

 

 

 

 

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どうにもキャラが出せず難しいです

今回は理樹と理華が出会うお話

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